タッチ -達也と和也-

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明青学園高等部3年 [ トップページへ戻る ]

高校3年生となった時、明青学園野球部の監督である西尾監督が入院してしまう。で、西尾監督の代理監督としてある男がやってきた。柏葉英二郎だ。 本来、西尾監督が代理監督を頼む予定だったのは柏葉英一郎だったのだが、ミスによってその弟である柏葉英二郎に依頼してしまったのだ。

柏葉監督のインパクトは影の薄い西尾監督とは違い、強烈なものだった。今の時代では考えられないレベルの体罰を加えながら、ビールを飲み、タバコをふかし、メチャクチャなメニューを指示する。 誰もが柏葉監督の過去について疑いを持ち始めていたが、その節々で口だけではなく、優れた野球技術の持ち主であることがわかってくる。達也も当初は柏葉監督のメニューに対して不満の態度をとっていたが、 ある日、新田の家に行った時に甲子園準優勝校の須見工が自分達よりも遅くまで倒れるまでの練習を当然のようにしている事実を知る。 その時から、達也は真剣に柏葉監督の下でしごいてもらい、最後の甲子園の切符を手にする決意をする。

さて、夏の甲子園地区予選い向けていよいよ合宿に入った。練習も確実に厳しくなっているが、チームのレベルは格段にアップしてきていた。 そしていよいよ一回戦の世多高戦に挑むことになるが。

一回戦の相手は世多高、参加しているだけで勝負は二の次というレベルのチームだ。達也が投げれば問題なく完封勝利、いや完全試合も可能な相手だったが…。 柏葉監督の意向で、先発のマウンドには部員の中で明らかに下手な佐々木があがる。そして試合は乱打戦になっていく。 7回表を終了した時点で17-10で世多高のリード。結局、8回から達也が登板し、18-17のサヨナラ勝ちで二回戦に進んだ。

二回戦の相手は立山高校、練習で鍛え上げた今の明青には楽勝の相手で12-0の5回コールド勝ち。そして三回戦に相手は佐田商、佐田商の先発は元チームメイトの吉田だ。 吉田はコントロールが良い上に、達也に対して闘争心むき出しで向かってきて6回までは0-0の投手戦。しかし、明青の練習量の多さはウソをつかず、7回以降吉田を捕らえ始める。 結局7-0の8回コールド勝ちで明青の勝利。四回戦の横林高校に対しても4-0で勝利し、いよいよベスト8までやってきた。

準々決勝は赤宮高校戦、ここは粒のそろった投手が3人いる守りのチームということもあり苦戦を強いられるが、延長10回サヨナラ勝ちで準決勝に進む。 準決勝は三光学院戦、この試合柏葉監督は達也に一つの条件を突きつける。『3安打以内に抑えろ』これは、達也にはまだ自信を裏付ける実績がなかった為、 甲子園でも勝ち抜けるだけの自信を達也につけようとする柏葉監督のやさしさだったのかもしれない。達也は監督の本当の期待に応えて、見事ノーヒットノーランで勝利をおさめるのだった。 そしていよいよ決勝戦、新田のいる須見工戦へと挑む。

いよいよ明青学園vs須見工の決勝戦。試合は小刻みに動いた。2回に明青は1点、須見工は2点入れ、4回にも須見工は1点を追加して3-1で須見工リード。 ところが須見工の4番の新田はあまり打つ気が見られない。達也が和也に成り代わってまとまったピッチングをしているからだ。その事を達也は5回表に柏葉監督から告げられる。 『上杉和也としてではなく、上杉達也として舞台にあがれ!!』と。5回裏から達也は本領を発揮し始める。コントロールを気にしない、ストレート一本の全力投球だ。

5回裏を圧倒的な球威で3つのアウトを三振で取った達也は完全に吹っ切れていた。6回表には松平がまぐれ当たりの一発ではあるもののソロホームランを放ち、1点差に詰め寄ってくれた。 柏葉監督にも変化が表れ、8回表1アウトになった時から打者に的確な指示を送り出す。その指示に従って明青は8回に見事同点に追いつく。そして8回裏、須見工の攻撃。この回に入る前、 達也は柏葉監督から指示を受けていた。『新田だけは勝負するな』と。しかし、達也はその指示だけは自分の意思で守らずに新田と真っ向勝負する。結果はホームラン。8回裏に勝ち越しのソロホームランを打たれてしまい、非常に厳しい状況になってしまった。 9回表も2アウトランナーなしの状況まで追い込まれてしまうが、そこから連打で2アウト1、3塁となり、バッター中島。中島は1塁へのゴロを打つが、ここで相手大熊の痛恨のタイムリーエラーで同点に追いつく。延長戦に突入だ。

延長10回、明青学園は勝負に出る。この回しか明青に分がなかったからだ。その意味を十分に理解していた達也はスリーベースヒットを放つ。1アウト3塁でバッターは4番の松平。 普通に打てば犠牲フライで1点が入る場面だったが、須見工ベンチは敬遠のサイン。ここで5番に回ると、足の遅い松平が1塁にいる為ダブルプレーを取られてしまう。そう考えた達也は思い切って勝負に出た。 大きく外した敬遠球を見てホームスチールを試みたのだ。結果はセーフ!!見事1点を勝ち越すことができた。その裏の須見工の攻撃、打順は1番からだ。つまり、1人ランナーを出してしまうと新田に回ってしまう。 そこで予想通り1人ランナーがでて、2アウト2塁の状態で新田に打順が回ってくる。ここで明青ナインは敬遠を避け、新田に勝負を挑む。達也はその期待に応え、見事新田を三振に仕留めた。 5-4で明青学園の勝利!!春夏通じて初めて甲子園出場の切符を手に入れた。(終)

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